ベルリンの壁の構造を理解するなら必見の場所、当時の姿を残すベルリンの壁記念館

ベルリンの壁は第二次世界大戦後の冷戦下に築かれて、それによって一つの街は東西に引き裂かれていました。そんな壁ですが、1989年に崩れてドイツは再統一します。今では壁崩壊から30年以上の月日が流れ、その痕跡を見つけることは簡単でなくなりました。また実物の壁を見ることができる場所も限られています。そこで今回紹介したいのは、見逃すことのできないベルリンの壁を見れる場所です。それはベルリンの壁記念館 です。

建設当時のベルリンの壁を今に残す場所

ベルリンの壁メモリアル が位置するのはベルリン中心部の市街地です。そこはベルリンの壁が築かれていた場所で、多くの壁が再開発などで撤去されていくなか、破壊されることなく、そのまま残されています。ここではベルリン北駅からマウアーパークまでのおよそ1.5キロが、ベルリンの壁をテーマとした展示施設として整備されているのです。また壁の近くには展示を行う建物や展望台も建てられており、より深くベルリンの壁を理解できるようになっています。

ベルリンの壁

ベルリンの壁

ポールが思い起こさせるベルリンの壁

ここで印象的なのは撤去されることなく残されている壁です。残されている壁には削られた跡や落書きがそのまま残されており、崩壊した当時の様子を思い浮かべることができるでしょう。また壁の一部は既に取り外されていますが、そうした場所を補うために、金属製のポールが等間隔に立てられています。立てられたポールは遠くから見ると壁のように見えるため、たとえ壁が無い部分であっても、壁を思い起こすことができ、いかに壁が街を切り裂いていたかを実感できるのです。

ベルリンの壁

ベルリンの壁

二つの壁からなる建設当時のベルリンの壁の構造

ベルリンの壁は市内でも数カ所に残されていますが、ここだけが当時のままの壁の構造を残しています。というのもベルリンの壁は境界上に建てられた壁と、それに近付かせないための二つ目の壁がありました。そして二つの壁の間には無人地帯が作られて、監視ができるように視界の邪魔になるものは取り除かれていました。ここでは二つの壁を保存してるだけでなく、当時のように無人地帯も復元させています。そのため建設当時のベルリンの壁の構造を理解できるでしょう。そしてベルリンの壁の仕組みがわかるかもしれません。当時のベルリンの壁の構造を知ると、壁を乗り越えることが難しかったかを実感できるはずです。

ベルリンの壁

ベルリンの壁

展望台から見ることができる当時のベルリンの壁の構造

展示は屋外だけでなく建物内でも行われています。壁のすぐ横に建つ展示館では壁の歴史について展示が行われています。壁の歴史を詳しく知るには重要な展示と言えるでしょう。ただし英語とドイツ語での説明となるため、簡単に情報を理解できないかもしれません。ですが言葉が理解できなくても楽しめる部分があります。それは併設された展望台です。そこから見えるのは、2枚の壁や無人地帯が見せるベルリンの壁の本来の構造。地上からは高い壁によって見えなかった無人地帯が展望台から見れるのです。そのため壁の構造がより良く理解できるでしょう。

ベルリンの壁

ベルリンの壁

ベルリンの壁から逃れるための地下トンネルの跡

べルリンの壁記念館ではベルリンの壁が残されているだけではありません。かつて無人地帯であった場所には、そこを横切るように伸びるものがあります。それは金属パネルを並べたもので、当時の東ベルリンから西ベルリンへと伸びています。これは東ドイツの人々が西へと逃れるために掘った逃亡用の地下トンネルの跡。その地下トンネルの跡がいくつか表示されているのです。その中にはトンネル57のように、深さ12メートル、長さ145メートルにも及ぶ本格的なものもありました。それを見ると、いかにベルリンの壁を乗り越えるのが難しく、そのために大掛かりな地下トンネルが掘られたことがわかるでしょう。

ベルリンの壁の地下トンネル跡

ベルリンの壁の地下トンネル跡

ベルリンの壁を訪れるのであれば、見逃せない場所

ベルリンの壁というと1枚の高い壁という印象があるかもしれません。しかし実際には2枚の壁があり、そこには境界の壁への接近を妨げる無人地帯があったのです。こうしたベルリンの壁の構造を知ると、なぜ壁を乗り越えた人が少なく、また乗り越える際に発見されたり、射撃されたかが理解することができるでしょう。こうした本来の壁の構造を今に残しているのは、ここベルリンの壁記念館だけです。そのため ベルリンの壁を知るには、この場所を見逃すわけにはいきません。もしベルリンを訪れるのでれあれば、ぜひ訪れてみてください。

 

ベルリンの壁記念館を紹介する動画を作成してみました。文章では伝えられないことが、動画でわかると思うので、ぜひ見てみてください。

 

ベルリンの壁記念館/ベルリンの壁資料館(Gedenkstätte Berliner Mauer)

アドレス:Bernauer Str. 111, 13355 Berlin

入場料:無料

開館時間:8:00 〜 22:00 (屋内展示及び展望台:10:00〜18:00/月曜休館)

Web-Site: https://www.stiftung-berliner-mauer.de/de/gedenkstaette-berliner-mauer

ベルリンの壁

ベルリンの壁