バウハウスを訪れるなら、見逃すことができない「バウハウス・ミュージアム・デッサウ」

バウハウスはかつてドイツに設立された美術学校です。そこでは美術やデザインについて斬新で新しい教育が行われていました。その活動期間は十数年でしたが、今なお、美術、建築、デザインの領域で大きな影響を与えています。そんなバウハウスですが、設立から100周年を記念して、その足跡や関係者の作品を紹介する美術館が開館しました。美術館が開館したのは、バウハウスの校舎が建てられ、関係者が多くの建物を建てたドイツ中部の街デッサウです。こちらの記事では、そんなバウハウスの美術館バウハウス・ミュージアム・デッサウについて紹介します。

バウハウス・ミュージアム・デッサウ

バウハウスとは

バウハウスは1919年にドイツ中部の都市ヴァイマールで設立されたデザイン、建築、工芸などを教える美術学校でした。初代の学長となったのは建築家のヴォルター・グロピウス。2代目や3代目の学長も建築家であったように、バウハウスは建築と深い繋がりがありました。バウハウスでは当時台頭しつつあった大量生産に対応して、装飾性よりも機能性や合理性を押し進めていたのです。こうしたバウハウスの思想はモダニズムと呼ばれる考えの源流となり、デザインや建築に大きな影響を与えたのです。またバウハウスではパウル・クレー、ワシリー・カンディンスキー、そしてモホリ=ナジなど、美術の歴史に名を残すアーティストたちが教官として生徒たちに教えていました。そのため多くのアーティストがバウハウスという場所で出会うことになり、美術の世界でも様々な影響を生み出したのです。このようにバウハウスは、デザイン、建築、美術に大きな影響を及ぼした重要な存在なのです。

バウハウスのシンボルとも言える、デッサウのバウハウス校舎については、こちらの記事で紹介しています。

バウハウスのシンボル、デッサウのバウハウス校舎

バウハウス校舎

バウハウス設立100周年記念に建てられた美術館

バウハウスは1919年にドイツ中部の都市ワイマールに設立されていますが、1925年にドイツ中部の都市デッサウへと移転しており。そこでは学長のヴァルター・グロピウスがバウハウスの校舎を建てています。そしてデッサウではグロピウスやバウハウスの関係者が幾つかの建物を手がけました。そのためデッサウではバウハウスの建物が多い都市となっており、バウハウスといえば、デッサウを思い浮かべる人も多いでしょう。このように街とデッサウとの繋がりは深いため、バウハウス設立100周年を記念して、2019年にバウハウス・ミュージアム・デッサウがオープンしたのです。

 

デッサウにあるバウハウスの建物については、こちらの記事で紹介しています。

デッサウで必見のバウハウスの建物

バウハウス・ミュージアム・デッサウ

バウハウス・ミュージアム・デッサウ

モダンで斬新な美術館の建物

新しく建てられたバウハウス・ミュージアム・デッサウですが、スペインのAddenda Architectsが手がけたモダンな建物となっています。建物はガラスによって覆われて、外観はガラスの直方体に見えるでしょう。しかしその中に入ると、広々としたスペースが広がっています。そして何より明るく開放的な空間に驚かされるでしょう。こちらの建物は柱の上に載った箱をガラスの箱で包むような構造になっています。そのため1階部分に開放的な建物内の空間を生み出しているのです。建物は1階はイベント、カフェ、ショップの空間として利用され、展示は2階となります。そのため建物1階は展示を見なくとも気軽に利用できる空間となっているのです。

バウハウス・ミュージアム・デッサウ

バウハウス・ミュージアム・デッサウ

バウハウス・ミュージアム・デッサウ

約5万点ものコレクション所蔵するバウハウス・ミュージアム・デッサウ

バウハウス・ミュージアム・デッサウには、約5万点ものコレクションが所蔵されています。これはベルリンにあるバウハウスの美術館バウハウス・アーカイブに次ぐコレクション数になります。現在行われている展示では、主にバウハウスの歴史や、バウハウスの手がけたプロジェクト、そしてバウハウス関係者が作り出したものが展示されています。展示されているのは約千点の資料や美術作品で、とても充実した展示となっています。またドイツの美術館では珍しく日本語の説明も用意されているため、展示をより楽しむことができるでしょう。

バウハウス・ミュージアム・デッサウ

バウハウス・ミュージアム・デッサウ

バウハウスを理解するために訪れたい美術館

バウハウス・ミュージアム・デッサウの展示ですが、例えば、バウハウス、そして学長のグロピウスなどが関わったデッサウのバウハウス校舎、職業安定所、そしてベルナウのADGB連合学校の建物の資料や建築模型が展示されています。またバウハウスで学んだ建築家マルセル・ブロイヤーの手がけたワシリー・チェアなどが展示されており、様々な資料や作品を鑑賞することができます。このような展示から、バウハウス関係者が生み出した建築やデザインなどの背後にある思想を理解できるかもしれません。

 

バウハウス・ミュージアム・デッサウの近くには、世界遺産に登録されているバウハウスの教官住宅マイスターハウスがあります。マイスターハウスについては下記の記事で紹介しています。

デッサウでぜひ訪れたいバウハウスのマイスターハウス

バウハウス・ミュージアム・デッサウ

バウハウス・ミュージアム・デッサウ

バウハウス・ミュージアム・デッサウ

バウハウス・ミュージアム・デッサウ

バウハウス・ミュージアム・デッサウを訪れるなら時間指定チケットで

なおバウハウス・ミュージアム・デッサウの入場ですが、場合によっては入場者数のために待たされることになります。私が2019年に訪れた際には多くの人が詰めかけており、実際に1時間ほど待たされることになりました。現在も曜日や時間帯によっては来場者が多い可能性があります。入場チケットはオンラインで入場時間をして購入することができるので、バウハウス・ミュージアム・デッサウを訪れる場合には、オンラインで時間指定チケットを購入することをお勧めします。

オンラインチケット購入ページ

 

バウハウス・ミュージアム・デッサウ / Bauhaus Museum Dessau

アドレス: Mies-van-der-Rohe-Platz 1, 06844 Dessau-Roßlau

開館時間: 10〜18時(3〜10月)/ 10〜17時(11〜2月)

休館日: 月曜

入館料: 9ユーロ

Website: バウハウス・ミュージアム・デッサウ