ライプツィヒ観光でお勧めの美術館、ライプツィヒ造形美術館

ライプツィヒという都市を知っているでしょうか。クラシック音楽のファンなら、その名前を知っているかもしれません。ライプツィヒはクラシック音楽の巨匠バッハが活動していた街として知られており、バッハと共に街の名前は世界的に有名です。ですがライプツィヒは音楽だけで有名ではありません。それだけでなく文化が盛んで、ドイツ東部の文化の中心地と言えるでしょう。そんな街の文化を感じられるような素晴らしい美術館があります。それはライプツィヒ造形美術館です。今回の記事では、ライプツィヒ観光にお勧めの美術館について紹介したいと思います。

マックス・クリンガー

ドイツ東部の主要都市ライプツィヒ

ドイツ東部の都市ライプツィヒは人口60万人を抱える大都市です。ベルリンの南側に位置しており、両都市は160キロほど離れています。そんなライプツィヒには、ベルリンからドイツ版新幹線を使って約70分で訪れることができます。またライプツィヒから東に100キロほど先に観光都市として名高いドレスデンがあります。ドレスデンとライプツィヒ間は鉄道で結ばれており、高速鉄道を使って約1時間で訪れることができるでしょう。そのためドレスデン、ライプツィヒ、そしてベルリンはまとめて訪れることができるのです。もしドイツ東部を旅行するのであれば、その訪れやすさや、その魅力からライプツィヒに訪れることになるでしょう。

ライプツィヒ造形美術館

駅近くにあるライプツィヒ観光に打ってつけの美術館

ライプツィヒ造形美術館が位置するのは街の玄関口であるライプツィヒ中央駅の近く。駅に近いことから美術館を訪れるためだけにライプツィヒ日帰り旅行も可能でしょう。もちろん交通の便が良いためライプツィヒ観光にはぴったりの場所です。美術館の歴史はおよそ200年ほどあり、19世紀半ばまで遡ることができます。そのため中世よりも近現代の作品が充実する美術館となっています。1848年に開館した美術館は第二次世界大戦によって破壊されました。戦後、ライプツィヒは東ドイツ側となり、美術館は数度の移転を行います。現在の美術館が建てられたのはドイツ再統一後の2004年。文化都市ライプツィヒにふさわしい充実したコレクションを展示するモダンな建物がオープンしたのです。

ライプツィヒ造形美術館

充実した美術館のコレクション

ライプツィヒ造形美術館には、多くの美術作品がコレクションされており、中世から現代までの作品が展示されています。特徴として挙げられるのは、東ドイツに関連した美術作品のコレクションです。ライプツィヒは文化の中心地として栄えており、また多くのアーティストを排出する美術大学もあります。東ドイツ時代に、そこでは西側と異なる美術教育が行われており、古典的で具象的な作品を描くアーティストが多く生み出されたのでした。こうしたアーティストはドイツ再統一後も独自のスタイルを守り、またその一部は美術大学の教師となり、新しい世代のアーティストに大きな影響を与えています。こうした東ドイツに関連するアーティストの美術作品も展示されているのです。

ライプツィヒ造形美術館

ライプツィヒ造形美術館

新ライプツィヒ派やネオ・ラウフの展示

そんな東ドイツ出身で世界的に特に知られているのが、ライプツィヒで活動するネオ・ラウフです。東ドイツ時代にライプツィヒの美術大学で学び、ドイツ統一後も東ドイツ時代に学んだスタイルで作品を描いています。こうした古典的で具象的なスタイルで絵画を制作するアーティストは新ライプツィヒ派と呼ばれています。ネオ・ラウフはそんな新ライプツィヒ派の代表的なアーティストとして知られているのです。ライプツィヒ造形美術館ではネオ・ラウフを始め、新ライプツィヒ派のアーティストの作品を展示しています。またライプツィヒ出身ではありませんが、東ドイツ出身として知られるカールステン・ニコライやオラフ・ニコライといった現代美術のアーティストの作品も展示しており、東ドイツの美術を理解できるかもしれません。

ネオ・ラオフ

ライプツィヒ造形美術館

ベックリンの代表作「死の島」の展示

美術館では東ドイツに関連するアーティストだけでなく、それ以外のアーティストの作品も展示されています。その中で特に有名なのが、19世期の画家アルノルト・ベックリンの代表作「死の島」です。ベックリンは象徴主義のアーティストとして知られており、ミステリアスで、物語の一部のような作品を数多く描いています。「死の島」は彼の代表作で多くのファンがおり、ヒトラーもその一人で、別荘に「死の島」を飾っていたことで知られています。「死の島」は人気のために5枚も同じ作品が描かれました。しかし第二次世界大戦によって1枚が失われており、現在残されているのは4作品。そのうちの貴重な1枚がここで楽しむことができるのです。

死の島

ベックリンの「死の島」はベルリンの旧ナショナルギャラリーでも展示されています。

ペルガモンだけでない博物館島の魅力、旧国立美術(旧ナショナルギャラリー) 

クリンガーの展示室

ライプツィヒ造形美術館のもう一つの見所は、19世期のアーティストでライプツィヒ出身のマックス・クリンガーの作品です。クリンガーは彫刻や絵画を制作しており、象徴主義のアーティストとして、神秘的な光景や印象的な一場面を描いた作品を生み出しています。そんなクリンガーは音楽からインスピレーションを受けてベートベーンの彫刻を制作しており、それは彼の代表作として知られています。こちらではベートベーンの作品を中心にしたクリンガーの作品を展示するスペースがあります。そしてクリンガーの生み出すドラマティックな世界観を楽しむことができるでしょう。

マックス・クリンガー

マックス・クリンガー

ライプツィヒでぜひ訪れたい美術館

ライプツィヒ造形美術館はライプツィヒ観光にお勧めしたい素晴らしい美術館です。ドイツには素晴らしい美術館が数多くあります。こちらでは他の美術館と同様に素晴らしいコレクションがあり、それを楽しむことができます。しかしライプツィヒ造形美術館のように東ドイツに関連した美術作品を楽しむことができる場所は多くないでしょう。もし東ドイツに関わる美術作品を楽しみたいのであれば、特にお勧めです。ライプツィヒ観光に合わせて、ぜひ美術館を訪れてみてください。

ライプツィヒ造形美術館

ライプツィヒ造形美術館

ライプツィヒ造形美術館/Museum der bildenden Künste Leipzig

アドレス: Katharinenstraße 10, 04109 Leipzig

開館時間 : 10〜18時/12〜20時(水曜)

休館日 : 月曜日

入館料 : 10ユーロ

最寄駅 : ドイツ鉄道「Leipzig Hbf」駅

Web-Site: ライプツィヒ造形美術館